通常,医師が施用する注射薬は,処方箋調剤には馴染みません。しかし,在宅医療においては,医師処方箋を発行し,薬局が注射薬を調剤して患者宅に届け,医師が患者又は患者の看護に当たる者に対して、当該医師療養上必要な事項について適正な注意及び指導を行った上で、当該患者の医学管理を十分に行い、かつ、各在宅療養の方法、注意点、緊急時の措置に関する指導等を行い、さらには、当該医師の指示を受けた訪問看護師等が患者をサポートすることで効率的、かつ安全に注射を実施できることができます(下図参照)。
 このサイトでは、厚生労働省補助事業「平成29年度患者のための薬局ビジョン推進事業」において、鈴鹿市医師会様、亀山医師会様と連携して作成した「注射薬処方せんの記載について」-安全・安心な注射薬投与のために-の概要を掲載しています。先生方が注射薬の処方箋発行を検討されるときに参考していただければ幸いです。

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  また、在宅患者訪問薬剤管理指導または(介護予防)居宅療養管理指導を行っている薬局が注射薬の処方箋調剤を行うと、処方薬を円滑に患者様宅に届けることができます。注射薬処方箋を発行される在宅患者様につきましては,可能な限り,訪問薬剤管理指導の指示をお願いします。
 在宅患者訪問薬剤管理指導または(介護予防)居宅療養管理指導は,注射薬だけでなく内服薬や外用薬の供給においても,在宅患者及びその家族をはじめ,在宅医,訪問看護師等の皆さまをサポートする有益で効率的なシステムです。

 是非とも,訪問薬剤管理指導をご活用ください。
注)「注射薬処方せんの記載について‐安全安心な注射薬投与のために‐(処方医師編)」は現在内容を更新中です!!

 また、処方せんの記載について,厚生労働大臣が定める保険医が投与することができる注射薬;処方せん交付可,鈴鹿亀山薬剤師会の通常備蓄医薬品,薬局(薬剤師)への診療情報の提供について,訪問薬剤管理指導と注射薬院外処方Q&A,注射薬処方せんの記載事例の個別項目は,下段に掲載していますので,適宜ご確認ください。

処方箋の記載について

次頁に麻薬の注射薬処方箋の「記載例」を例示しました。
以下の記載は,健康保険法に基づく通知「処方せんの記載上の注意事項」に基づく注射薬関連の処方欄及び備考欄の注意事項です。

1 「処方」欄について

投薬すべき医薬品名,分量,用法及び用量を記載し,余白がある場合には,斜線あるいは「以下余白」の記載等により余白である旨を表示すること。
(1) 医薬品名は,一般的名称に剤形及び含量を付加した記載(以下「一般名処方」という。)又は薬価基準に記載されている名称による記載とすること。なお,可能な限り一般名処方を考慮することとし,一般名処方の場合には,会社名(屋号)を付加しないこと。
 なお,薬価基準に記載されている名称を用いる場合,当該医薬品が,薬価基準上,2以上の規格単位がある場合には,当該規格単位をも記載すること(記載例の注1)
 また,保険医療機関と保険薬局との間で約束されたいわゆる約束処方による医薬品名の省略,記号等による記載は認められないものであること。(2) 分量は,注射薬ついては投与総量を記載すること(記載例の注2)
(3) 用法及び用量は,1回当たりの使用量,1日当たり使用回数及び使用時点,投与日数(回数)並びに使用に際しての留意事項等を記載すること(記載例の注3)
(4) 特定保険医療材料(自己注射に用いる自己注射用ディスポーザブル注射器(針を含む。),万年筆型注入器用注射針,自己連続携行式腹膜灌流に用いる腹膜透析液交換セット,在宅中心静脈栄養法に用いる在宅中心静脈栄養用輸液セット,在宅成分栄養経管栄養法に用いる在宅寝たきり患者処置用栄養用ディスポーザブルカテーテル又は携帯型ディスポーザブル注入ポンプ)を保険薬局より支給させる場合は名称及び本数又はセット数を記載すること(記載例の注4)

2 「備考」欄について

(1) 麻薬を処方する場合には,麻薬取締法第27条に規定する事項のうち,患者の住所及び麻薬施用者の免許証の番号を記載すること(記載例の注5)
(2) 訪問薬剤管理指導(在宅患者訪問薬剤管理指導,(介護予防)居宅療養管理指導)を依頼する場合は,「訪問指示」等と記載すること(記載例の注6)
 注射処方せんを交付するときは,在宅患者が多いと思いますので,訪問指示に併せて,診療情報(薬局宛てB009診療情報提供料(Ⅰ)下段の資料参照)の提供をお願いします。

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厚生労働大臣が定める保険医が投与できる注射薬

下段のサイトでご確認ください。

「保険医が投与(処方せん調剤)できる注射薬」のページへ

訪問薬剤管理指導と注射薬院外処方Q&A

下段の薬剤師在宅訪問サポートQ&Aサイトをご覧いただくほか、詳細なQ&Aは一括ダウンロードの冊子でご確認ください。

「薬剤師在宅訪問サポートQ&A」サイトへ

注射薬処方せんの記載事例

記載事例1:中心静脈栄養(TPN)キット製剤への混注(記載事例2:同簡易版)、記載事例3:麻薬(モルヒネ)持続皮下注(記載事例4:同簡易版)、記載事例5:末梢静脈栄養(PPN)輸液製剤(記載事例6:同簡易版)、記載事例7:電解質輸液維持(3号)液(記載事例8:同簡易版)、記載事例9:抗菌薬(セフトリアキソン)点滴静注用バッグ(記載事例10:同簡易版)を例示しています。簡易版の処方は、薬剤師が必要な内容を確認するときがあります。ご協力をお願いします。

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